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2024.10.01
『育児休業取得率』に関する状況 (R5年度・雇用均等基本調査)
厚生労働省は本年7月に「令和5年度雇用均等基本調査」結果を公表しました。育児休業取得率などに関する状況では、2023年度の民間企業の男性の育休取得率は30.1%と3割台にのぼり、前年と比べた上昇幅も過去最高となりました。育休取得期間も1カ月以上が41.9%を占め、育休取得期間も長期化しています。
本調査結果によると、2023年度に育児休業を取得した女性がいた事業所の割合は87.6%と、2022年度に比べて0.9ポイント上昇しています。男性は37.9%で前年度に比べて13.7ポイントも上昇しています。有期契約労働者については女性が83.8%、男性が30.0%といずれも前年度に比べて上昇しています。
育児休業取得率については女性は84.1%と前年度に比べて3.9ポイント上昇していますが、男性が大幅に上昇しました。2022年度は17.13%でしたが、13.0ポイント上昇し、30.1%となりました。政府は民間企業勤務の男性の育休取得率を2025年度に50%、2050年度に85%という目標を掲げています。また、企業に対して男性の育休取得状況等の公開義務を課し、2023年4月から従業員1000人以上の企業、2024年4月から300人以上、2025年4月からは100人以上(100人未満は努力義務)となるなど順次、対象が拡大しています。これと併せて「産後パパ休暇」などの各施策の効果が表れている結果と思われます。
事業所規模別の男性育休取得率は、従業員500人以上が34.2%と最も高く、100~199人が31.1%、30~99人31.4%、5~29人26.2%となっています。事業所規模に関係なくすべてで上昇しており、特に取得率がもともと低かった規模が小さい事業所の上昇幅が大きくなっています。産業別の男性育休取得率は「生活関連サービス業、娯楽業」が55.3%と最も高く、前年度比29.78ポイント増となっています。次いで、「金融業、保険業」(43.8%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(42.8%)、「情報通信業」(38.0%)の順となっています。最も低いのは「不動産業、物品賃貸業」(16.9%)。続いて「卸売業、小売業」(20.1%)、「宿泊業、飲食サービス業」(21.1%)となっています。
育休取得期間について見ると、男性は1カ月前後、女性は1年前後に集中しています。男性育休取得期間は平成30年(2018年)度は「5日未満」(36.3%)が最も多く、2週間未満に71.4%が集中していました。しかし令和5年(2023年)度は2週間未満は37.7%に半減し、最多は「1カ月~3カ月未満」(28.0%)。1カ月以上が41.9%を占めています。
来年度から育児休業給付の引き上げ(手取りが実質10割)や公表義務の対象拡大も予定されています。企業にとっては育休取得者の代替要員の確保をはじめ、業務の効率化・省力化などによる仕事の総量を減らす取り組みも求められています。
(以上)