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2022.01.01
~『全世代型社会保障』の実現に必要なこと~
弊事務所のトッピクスをご覧いただきありがとうございます。今回は、毎年1兆円近く増え続ける社会保障費ですが、将来的に持続可能な制度として行くために必要な財源の仕組みについてコメントしております。参考になれば幸いです。
岸田政権下で第1回「全世代型社会保障構築会議」が咋年11月、開催されました。成長と分配の好循環で「新しい資本主義」を実現するとしている岸田首相ですが、全世代型社会保障の構築を成長戦略の柱の一つとし、また、分配戦略である看護、介護、保育などの現場で働く人の収入増を図るための公的価格評価検討委員会を同会議の下部組織に位置づけています。
今年から「団塊の世代」が75歳以上になり始め、2025年には2180万人、5人に1人が後期高齢者になると見込まれています。高齢化の進展とともに社会保障給付費も膨れ上がり、2025年には約140兆円、65歳以上人口がピークを迎える2040年には約190兆円になることが推計されています。また、厚労省によると2025年度には看護職員は最大で27万人、介護職員は約22万人不足するとされており、それだけに、今回の医療・介護等で働く人の待遇改善は人材確保に資すると考えられますが、やはり財源問題は付きまといます。
2012年の「社会保障と税の一体改革」以降の社会保障制度改革の議論を振り返ると、全世代型社会保障検討会議では、年金、労働、少子化、医療の各分野の改革がそれぞれまとめられましたが、当初から同会議での議論は税制改正等を前提としないものとされていました。その内容は、総じて現役世代に配慮し、高齢者に負担増を求めるものでしたが、高齢者への負担増にも限界があります。
国民の将来不安を解消する、持続可能な社会保障制度の構築は、経済成長に寄与するとともに、その所得再配分機能を現在の格差是正に役立てることも可能にします。そうした持続可能な社会保障制度を確立していくためには、現役世代の保険料に過度に依存しない、国民全体で社会保障制度を支える財源の仕組みを整えていく必要があるといえるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。(以上)