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2022.08.01

パート社員の正社員登用に際して試用期間を設けても良いか?

Q.初めてパートタイマーの正社員登用を決めました。その者の働きぶりは極めて真面目で、能力も高く、また本人も正社員への転換を希望していたことから、今後の活躍を期待しています。ただ、当社の就業規則では、正社員の採用に際し、3カ月間の試用期間を設けています。適性や人柄を評価して正社員登用を決めたわけですが、試用期間を設けても問題はないでしょうか。

 

 

A.正社員の採用に際して、入社後に試用期間を設ける会社は少なくありませんが、試用期間を設けるかどうかは会社の任意となります。

 

一般に試用期間は、勤務態度、能力、健康状態などを確認し、正社員としての適格性があるかどうかを見極める期間と考えられています。就業規則等で試用期間を設けた場合、法的には解約権が留保された労働契約期間と考えられ、労働者の不適格性を理由に本採用拒否の解約権が行使される可能性が残されています。ですから、試用期間中は労働者の身分が不安定なものとなりますので、あまり長すぎる期間を設定することは公序良俗に反するとして認められない場合もあります。

 

ご質問のパートタイマーから正社員転換する者に3カ月の試用期間を設けることは、それが直ちに違法になるということはありません。パートタイマーと正社員とでは期待する役割が異なり、その見極めに試用期間を設けるという考え方もできなくはないでしょう。ただし、試用期間は正社員としての適格性を判断する期間ということですから、パートタイマーとしての働きぶりからその判断を下せるということであれば、今後のことも考えてパートタイマーからの正社員転換者に対する試用期間の適用は見直してもよいかもしれません。

 

具体的な対応については、是非一度、当事務所へご相談ください。

以上

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