Q&A
よくある質問
Q&A
2024.01.01
副業時のケガで労働不能、しかし本業が労働可能の場合、休業補償給付は受けられますか?
【質問】
これまでわが社としては「副業禁止」としていましたが、世の中の副業解禁の動きを踏まえ、従業員の副業・兼業を認める方向で検討中です。心配なのが副業中の長時間労働や事故です。例えば、本業はデスクワークで、副業が力仕事など危険な業務に就いている場合、仮に副業でケガをして働けなくなっても、本業で働くことが可能な場合、「労働不能」かどうかはどう判断するのでしようか。
【回答】
産業雇用安定センターの調査(2023年6~7月)によると、現在、副業・兼業を認めている(認める予定含む)企業は48.4%に上ります。そこで副業する人は複数事業労働者となります。2020年9月1日に労災保険法が改正され、複数事業労働者の業務上の事由、2以上の事案を要因とする事由、通勤による傷病等により、労災保険給付を行う場合、すべての勤務先の賃金の合計により給付基礎日額を計算する仕組みとなりました。(労災保険法8条3項)。
労働者が療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第4日目から、複数事業労働者休業給付(休業補償給付)が支給されることがあります(労災保険法14条、20条の4など)。
そして、本業と副業、共に労働者である場合の事案の労働不能の判断については通達でこう述べています。
「一般的に労働が可能な状態である場合、複数事業先のすべての事業場に係る休業(補償)等給付に係る保険給付について、不支給決定とする」(令3 ・3・18基補発0318第6号)
つまり今回のような場合は労務不能とは認定されず、不支給となるものと考えられます。
ただし、これと異なるのが「特別加入」の場合です業務委託契約などでフリーランスとして働き、特別加入が認められている人は、労働不能の考え方が労働者と異なるため、労働者に係る保険給付のみを行うことなどがあり得るとしています。
本業が労働者、副業で特別加入する場合に、副業でケガをしたとき、労災保険給付に係る事務処理要領では、まず災害発生事業場(副業)で作業に従事することが可能な場合、非災害発生事業場(本業)において労働者としての労働不能でも、不支給としています。
(以上)