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2021.09.01

退職直前に年休残の全消化を拒否できないか?

下関労務管理事務所では定期的に労務・人事に関する話題を紹介しています。

今回のテーマは「退職に際しての年休残日数の消化を拒否することはできないのか」です。

このテーマに関するご相談がありましたら、メニューもしくは最下部のお問い合わせリンクからご連絡ください。それでは本題です。

 

Q.退職日の決まっている従業員から、未消化の年次有給休暇(年休)取得の請求がありました。年休取得を認めないわけではないのですが、ベテランということで重要な仕事も任せてきましたので、今後の業務のことを考えると、しっかりとした引き継ぎをお願いしたいと思っています。しかし、年休をすべて消化するとなると、引き継ぎの時間が足りなくなりそうなので、請求の一部拒否はできないでしょうか。

 

A.よく聞かれるお悩みです。退職予定者が当然の権利として、在職中に年休の残日数を消化しようとするのは、ごく普通のことといえます。しかし、会社としては業務に支障をきたさないよう、後任にきちんと引き継ぎをお願いしたいと考えるのも当たり前といえます。そこで、まずは、年休の法的性格について確認しておくことにしましょう。

 

学説的には、労働者の請求に対して使用者が承諾することで年休が成立するとする請求権説、労働者の一方的な請求によって年休が成立するとする形成権説などがありますが、判例では、労基法39条の要件を満たすことで成立し、労働者による年休取得の時季指定は、使用者による時季変更権の行使を解除条件として、その効果が発生するということになります。

 

ですから、退職予定者は、年休の取得に当たって、使用者に許可を求めたり、承認を得たりする必要はなく、時季の指定さえすればよく、使用者がその年休請求を拒否するためには、時季変更権を行使する以外にはないと考えられます。

 

ただし、使用者に認められた時季変更権は、「事業の正常な運営を妨げる場合」に行使できるとされており、業務の引き継ぎがこれに該当するかといえば、疑問が残ります。そもそも時季変更権は「他の時季にこれを与えることができる」というものですから、退職日までに日がなく、また、就労義務のない退職後に年休を付与することはできないわけですから、時季変更権を行使すること自体できないと考えられます。したがって、退職予定者の年休請求を拒否することはできないと言えるでしょう。

 

では、こうした場合に実務上、どのような対応が考えられるでしょうか。一つには、引き継ぎ時間確保のため、退職予定者に退職日を延ばしてもらうことが考えられます。仮に、退職予定者が転職を考えており、すでに次の就職先が決まっていたとしても、その出社日と退職日とが近接していなければ受け入れてもらえる可能性はあるでしょう。また、それが難しければ、年休残日数の買い上げを提案するのも一法です。年休の買上げによって残りの出勤日数を増やすことで引き継ぎに対応してもらうということです。

 

もし会社からの要請には応じられないということであれば、請求されたとおりに年休を付与するようにすべきですが、話し合いのテーブルについてもらい、退職予定者とよく話し合うための対応については、工夫の余地があります。更に具体的な内容をお聞かせいただければ、具体的な相談も可能です。ご連絡をお待ちしております。

(以上)

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